足利尊氏とゆかりの深い安国寺
御本尊
千手観音坐像(定朝作と伝えられる)
寺宝
白衣観音坐像(県指定文化財)像は木像、檜の一本造りである。室町時代の作、高さ四十九・五センチ、頭頂から白衣をかぶり、頭には天冠や化仏の光背などが刻まれ、印相は法界定印である。
ご詠歌
あきいたるやまだのなるとおとづれてうきよのゆめをさますあかつき
年中行事
修正会・元旦護摩一月一日・節分会二月三日・花祭四月八日・観音護摩毎月十七日
縁起
安国寺は、暦応二年(一三三九)に白馬山麓に創建された。その趣意は、足利尊氏が南北朝の抗争で九州に逃れ、建武三年(一三三六)筑前国多々良浜の合戦で菊池武敏と激戦となった。その時、下山田の白馬山の山中に入り、岩石の下13に安置された白衣観音(源氏の守護仏)に祈願した。その加護で追手から逃れることができ、九死に一生を得たという。そこで、尊氏が光明天皇に奏請し、安国寺の号を与え、末寺の六宇を建立して、寺領一千石を与えられた。創建時は七堂伽藍をも構える大寺院であったが、文安元年(一四四四)の火災で焼失、文明二年(一四七〇)に再建された。天正二年(一五七四)に領主秋月種実が仏堂を建立。また、豊臣秀吉も深く帰依信仰したと伝えられている。元和八年(一六二二)観音堂を再建、伽藍も整う。大正十二年(一九二三)に本堂を焼失した。安国寺は筑前西国三十三霊場の二十七番札所、九州四十九院薬師霊場第三番札所である。
交通アクセス
JR筑豊線・飯塚駅より西鉄バス⑬○23に乗車、下山田小学校前下車、徒歩10分。車は九州自動車道、福岡ICを出て八木山バイパス経由。